10月, 2011 Archives

  
書家のK様は筋金入りの篠田桃紅コレクターである。ご本人曰く高校生の頃からのファンだそうだ。K少年は、篠田桃紅が単身ニューヨークに渡り、書家から抽象作家へと華々しい転進と遂げ、時の人となったその頃誕生した。(すみません。あくまで推測です。)書を起源として国際的に活躍するアーティスト、篠田桃紅はK少年にとって大変刺激的な存在であっただろう。

真のコレクターとは大変慎み深いものである。いつだったか、篠田桃紅展のオープニングの際、K様を篠田先生にご紹介しようとすると「私はいいです。」とお断りになった。遠巻きに先生を眺めているだけで満足出来るのもファンならではの真理である。

K様のアトリエには、篠田コレクションの中でも特に現在のお気に入り3点が壁面を飾っている。金箔の秀作を中心に左右を金糸で織られたK様こだわりの額装で、調和のとれた大変素晴らしいプレゼンテーションであると同時にK様の作品に対する深い愛情が感じられる。

K様邸 篠田桃紅


下馬の閑静な住宅地に佇むN邸のベルを鳴らすや否やボクサー犬のマロンちゃんが元気な鳴き声で出迎えてくれる。玄関に入ると右手の壁には草間彌生の「蝶」が、そして目を落とすと山田浩司の蝶が群生している。水辺で羽を休ませた蝶たちが、舞い上がり羽ばたいていくようにもみえる。展示の工夫によりアーティストのコラボレーションを見事に可能にした。そして2階に上がると、今度は草間彌生の花や南瓜がリビングを華やかに演出している。素敵なアートに囲まれて、優雅な日々を堪能しておられるN様ご夫妻でした。