フローランス・ミアイユ ファンクラブ ニュース  
(a@1)        2008.3.1
発行 フローランス・ミアイユファンクラブ
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第1回 ファンクラブの集いが開催されました

昨年12月1日、7名の参加者により、フローランス・ミアイユファンクラブの初めての集いが開かれました。集いは第1部・第2部の2部で構成され、1部2部の間には抹茶が振舞われるなど終始なごやかな雰囲気で進められました。
第1部では、ミアイユファンクラブを創設するための話し合いが行われました。まず、昨年6月のミアイユ来日から本会設置にいたるまでの経緯についての報告があり、続いて会の活動・運営の基本となる会則の制定、次に制定された会則に基づき役員の互選が行われました。

第1回ミアイユファンクラブの集い

会則では、会の目的を作家および会員相互の交流を通じてミアイユ作品をより良く理解するとともに、これを広く普及することとしました。さらに、この目的を達成するために、@ミアイユ作品を語る集いの開催 Aミアイユに関する情報の収集 B会報の発行 Cミアイユとの交流 などを行っていくことを決めました。また本会の運営を円滑に行うために、代表1名および幹事若干名を互選するとともに、作家本人、会員相互ならびに会員外の方々との連携をスムーズに行うためアートスペース・サンカイビ内に事務局をおくこととしました。
次いで、この会則に基づいて、代表に植田仁、幹事に西窪啓城、西窪幸江、古谷泉の各会員を選出して、「フローランス・ミアイユファンクラブ」の第一歩を踏み出すことになりました。

続いて第2部、この日の集まりの主目的の「第1回ミアイユファンクラブの集い」を行いました。集いでは、まずミアイユおよびその作品を初めて日本に紹介したアートスペース・サンカイビの平田美智子代表の基調報告がありました。この中で、ミアイユと出会い、その作品に感動したこと、作品の素晴らしさ、日本に紹介してきた経緯などが話されました。これに続いて、ミアイユファンクラブの植田代表から@2002年の日本での初個展(アートスペース・サンカイビ)から、03年の初来日展、06年の広島国際アニメーションフェスティバル参加、そして07年の静岡グランシップでの来日展までの活躍の経過、Aミアイユの画集(CHRONIQUES D’ICI ET D’AILLEURS 2006)をもとにアニメ作品および掲載記事の一部を紹介、B昨年出版されたミアイユ編集の母ミレイユ・ミアイユの作品集の紹介がなされました。
その後、アニメ作品の中から「ハマム」「ある8月の第一日曜日」の2作品を鑑賞し、ミアイユとその作品についての話し合いは夕方遅くまで続けられました。
その後、レストランに場所を移し、食事を共にしながらミアイユ作品をはじめさまざまな美術談義に花を咲かせましたが、会のこれからの充実した活動を予感させる有意義な一時となりました。
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ファンクラブ発足に寄せて

 この度、フローランス・ミアイユファンクラブが発足し、まずご入会下さいました皆様に心から感謝申し上げます。ギャラリーはアーティストを紹介し、サポートする場でありますが、皆様方のご支持なくしてアーティストもギャラリーもその存在を成り立たせることはできません。皆様お一人お一人の厳しくも優しいご意見やサポートがよいアーティストを育てる指針となるのです。また、この活動を通じて、文化交流やアトリエ訪問を兼ねた旅行など、皆様にとってわくわくするような愉しい未来が拓けますよう願っております。


2006年来日時のミアイユ先生と平田代表


 さて、昨年6月の来日時には、静岡朝日テレビの主催で開催された、フローランス・ミアイユ来日展を皮切りに、スタジオ・ジブリのアニメーション映画監督、高畑勲氏とのトークショーの開催、池袋東武の美術サロンや私共、アートスペース・サンカイビでの個展、そして日本アニメーション協会主催の「フローランス・ミアイユさんを囲む会」の開催など盛り沢山のイベントでした。

 高畑勲監督とのトークショーでは、マティスの「生きる喜び」という作品を例に挙げ、「ミアイユ作品からはまさに、“生きる喜び”が感じられる。」という高畑監督のご指摘がありました。それに対し、ミアイユは「創作者によっては、苦しみの中で作品を生み出す人もいるが、私は“絵を描く喜び”を感じながら創っています。」と返答していました。

 「フローランス・ミアイユさんを囲む会」には村山浩二氏、古川タク氏、一色あずる氏、こぐま氏など、日本を代表するアニメ作家や写真家の南正時氏など多数ご参加頂き、会食をしながらミアイユアニメーションを絶賛していました。山村氏はご本人のブログの中でも、「絵画性の強い彼女のアニメーションは、豊かな色彩感覚と身体の動きで官能的で詩的な世界へと観るものを誘います。」と紹介しています。

 今後は、自伝から構想を膨らました長編や、エロティシズムを抽象的に表現するという難題に挑む、新作のミアイユアニメーションに乞うご期待!

2008年2月吉日
アートスペース・サンカイビ
代表 平田美智子

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ルポルタージュ アートフェア静岡2007

 昨年6月21日〜24日、静岡市(静岡グランシップ)で静岡朝日テレビ主催、アートスペース・サンカイビ企画のもとに「アートフェア静岡」が開催されました。催しは「フローランス・ミアイユ来日記念絵画展」と「アニメ上映&トークショー」の2部で構成されていました。このときの感動を忘れないうちに、その模様をご報告します。

[フローランス・ミアイユ来日記念絵画展]

絵画展会場で作品を見るミアイユ先生
 ミアイユの日本における作品展は、2002年の初個展、03年の初来日展、06年の来日展に続いて今回で4回目ですが、かつてない大規模なものとなりました。 広いスペース、高い天井と申し分のない会場に、アニメの原画およびアニメ関連の作品に加えて、初期の「アフリカ行きの列車」、最新作として等身大の人物画やモノタイプ・油彩などの連作などあわせておよそ150点の意欲的な絵画展となりました。数多くの作品のうち、特に圧巻なのは、一連の等身大の肖像画とモノタイプの連作「メタモルフォーズ」だったように思います。肖像画は、2006年に「カルチェ物語」を完成させた後、本展覧会に向けて精力的に取り組んできたもので、この中にはご自身の母親や子息を描いた作品も含まれています。まさに、ミアイユがアニメ作家である以前から本格的な画家であったことを再認識させる濃度の濃い油彩画でした。一方、メタモルフォーズはこの作家のきわめて優れた造形感覚と、文字通り作品をテーマに従って少しずつメタモルフォーゼ(変形)させるというアニメ制作にも通じる感性の妙を見せるもので、ふと、この作品群をもとに豪華挿画本を作成したら面白いなと思わせるものでした。

来場者に気さくにサインするミアイユ先生

 連日会場に顔を見せたミアイユは、DVDや画集の購入者に気さくにサインするなど飾らない人柄を見せ来場者を楽しませていました。


[アニメ上映&トークショー]
 最終日24日の午後には、映像ホールでアニメ上映とトークショーが行われました。家庭でテレビやパソコンの小さな画面で見るのも良いものですが、ホールの大画面に映し出される映像ははるかに迫力に満ち、ゆるぎない画面構成のディテールまではっきりと見てとれ、とても素晴らしいものでした。こんなところからも、ミアイユアニメのもつ意外性に富んだ展開の面白さに加えて、一瞬一瞬の画像構成のもつ質の高さがうかがえます。大画面でご覧になったことがない方には、次の機会(1〜2年内には必ずそんな機会が来るものと期待しています)には、ぜひご覧になられることをお勧めします。
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 トークショーには静岡朝日テレビのカメラも入り、予定時間を大幅に超過して熱心に進められました。トークの相手は、「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」など数々の傑作アニメを監督、

トークショーを行うミアイユ先生と高畑監督
脚本、プロデュースしてきた日本アニメ界の巨匠高畑勲監督で、監督は東大仏文科のご出身で フランスの文化にも造詣が深いことでも知られています。対談は、高畑監督の、「2003年に始めて見た『ハマム』の絵には非常に魅力があり、その魅力を壊さないまま絵を動かしたことに大きな感銘を受けた。また今日観た最後の作品『カルティエ物語』ではストーリー性がつよくなったというように変わってきている」という感想に始まり、アニメ制作に対する姿勢、題材としたテーマについての思い、技法の変遷などアニメ界のトップランナー同士の対話としてとても興味深いものとなりました。専門用語が多かったにもかかわらず、卓越した同時通訳により大変わかりやすいものとなり、大幅に時間超過したにもかかわらず参会者の皆さんも大満足だったようです。
このトークショーの内容は、インターネットでアートスペース・サンカイビのホームページから、取扱作家→フローランス・ミアイユ→2007年アートフェア静岡→トークショーの詳細内容 を開いてご覧いただくことができます。
(植田仁)

事務局だより

クラブニュース bPの発刊
大変遅くなりましたが、フローランス・ミアイユファンクラブニュースbPをお届けします。ご高覧のうえ、ご意見をお寄せいただければ幸いです。なお、引き続き第2号、第3号とさらに充実させていきたいと思いますので、あなたのご投稿をお待ちしています。
会員募集
フローランス・ミアイユミアイユファンクラブでは、ミアイユの作品を愛し、同好の方々と語り合いより深く知りたい、もっと多くの皆さんに知ってもらいたいと言う方の参加をお待ちしています。参加ご希望の方は事務局(アートスペース・サンカイビ内:電話03−5649−3710)にご連絡ください。  申込みページへ
会員証の発行
ファンクラブでは、会員相互の連携を深めるために、会員証の発行を行っております。会員証は、ミアイユのある作品を、35ピースのジグゾーパズルに仕立てた遊び心に満ちたものです。作品の全体像は、会員35名が揃ったときに明らかになります。どうぞお楽しみに!
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