篠田桃紅toko shinodaコレクションマップ
篠田桃紅@智美術館


東京虎ノ門に2003年にオープンした菊池寛実記念 智美術館。
小さいながらも素晴らしい建物で、内装も贅沢で、訪れるたびに心ときめく美術館です。庭には、大正時代に立てられた西洋館と和風の蔵があり、西洋と東洋、過去と現在が融合する独特の空間となっています。
金属と石で造られたアプローチと、玄関の金属のドアは鋳金の北村真一氏のデザインによるもので、内部には篠田桃紅先生の素晴らしい作品が2点レイアウトされています。
1点はエントランス正面に、これぞ篠田桃紅という様式の、筆をすっと引いたシンプルな墨の作品。タイトルは「ある女主人の肖像」。1988年頃に制作されたこの作品は、この館の女主人を象徴的に凝縮して表現したもので、訪れた人々を静かに迎え入れています。

もう1点は、地下の展示室へ続く螺旋階段の壁全面を使っての、コラージュ作品。壁面は銀の和紙で貼られ、その上に篠田先生が、先生ご自身が20年前に書かれた「いろは歌」の料紙を使って、新たにコラージュという形で完成させた「真行草」という三文字の作品になっています。この螺旋階段は手摺も凝っていて、横山尚人氏によるガラスの手摺がついています。銀色の篠田先生による壁画に、ガラスの光がきらきらと反射します。
地下の展示室は、抑えられた照明に床一面の大理石が光ります。この大理石は、よく見るとアンモナイトなどを見つけることができます。
まるで深海に潜ったかのように、別世界の静けさです。日常の煩雑さから絶たれ、静かなひとときを過ごせる美術館です。
まだいらしたことが無い方には、特にお薦めいたします。きっと「また来たい」と思われることでしょう。


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