ガントナー 「雪」 展

会期:
2002年11月28日(木)12月18日(水) 作家詳細
12:00−19:00 日曜 休廊 前ページへ
会場: アートスペース・サンカイビ   →地図 Homeへ
「パリレポート」ではガントナー最新情報が満載! ●作品紹介
  日本でも各地から初雪の便りが聞こえ始めてきた。コートを着る人も増え、本格的な冬がもうそこまでやって来ていることを知らされる。ガントナーのアトリエのあるフランス・上サオーヌの山村でも頂上から順に雪で覆われ初めているそうだ。これから長い長い冬に入ってゆく。

  今回の“雪景だけの展覧会”は、ガントナー本人たっての希望で実現したこともあり、例年にも増して秀作揃いとなった。会心の出来栄えに画家自身もたいへん満足している。作品の数々は一見して静かな印象を受けるが、エネルギッシュな意欲が随所にほとばしっているように感じられる。

  一般的に、画家は壮年期にピークを迎え、その後は絵筆が衰えてしまう場合が多いが、ガントナーに関しては全くあてはまらない。彼の描く風景は、若い頃より老境に達した現在の方が、豊かさ、繊細さ、全てにおいて断然優っている。齢を重ねるほどに、その輝きや潤いは増すばかりである。最大の特徴である線描もますます磨きがかかって眼を瞠るものがある。このようなタイプの画家はそう世には出てこない。やはり稀有の資質の持ち主であることはゆるぎのないようだ。

  老いていよいよ画筆が冴えてくるのは、いったいどうしてであろうか?その秘密は彼の創作姿勢に隠されているように思える。
  ガントナーは今年73歳と高齢で、サオーヌの冬は決して楽ではない。しかし、それでも戸外スケッチから取り組むスタイルを断固として変えることはしない。あくまでも現場の写生主義を貫き通している。自らを同じ空気にさらしてこそ初めて見えてくることがあると確信すらしている。自然に対してたいへん敬虔なのである。自然と共生する日々の暮らしは、そのまま画業修養につながっている。ゆえに、年齢を重ね自然を知れば知るほど体得できることも多くなり、画家としてのエネルギーもますます大きくなっていくのだろう。肉体の衰えとは逆に、ガントナーの創作精神はどんどん研ぎ澄まされ、更なる高みへと上っていこうとしている。

  雪はそんなガントナーが最も愛しているモチーフである。牡丹雪、綿雪、細雪。初雪が自然を白一色に覆う瞬間。冷風に晒され結晶となった雪柱など。ガントナーの「雪」は素晴らしく美しい。

  今回は当展のために特別制作されたオリジナル作品を約20点展示致します。是非この機会にご高覧頂きますようご案内申し上げます。
  ガントナーの「雪」の中に、いにしえより「雪月花」を愛でる私達日本人と共通する心をきっと感じ取って頂けることでしょう。
アートスペース・サンカイビ    
代表: 平田 美智子