ジャンセン 展 − バレリーナ他、新作を中心に −
会期：	2002年７月１０日（水）−７月３０日（火）	作家詳細
	１２：００−１９：００　日曜 ・祝日休廊	＊前ページへ
会場：	アートスペース・サンカイビ　　　→地図	＊Ｈｏｍｅへ
	紙に水彩・パステル・鉛筆
去る4月24日に 「アルメニア正教生誕 1700年」 を記念して、国立ホロコースト美術館ではジャンセンの 「ＭＡＳＳＡＣＲＥＳ（マサクル： 大虐殺）」 展が開催された。ライフワークでもあるアルメニア大虐殺をテーマにした同展は、たった3日間で国内外から25万人の人々が詰め掛けた。これはアルメニア総人口の１０％に匹敵する数字であり、4列が３ｋｍに及ぶという空前の長蛇の列ができた。 ロシアのプーチン大統領も顔を見せ大成功を納めた。 　　今回ジャンセンは国家表彰も受けている。カラヤン、シラク大統領に続いて3人目となる。 一アルメニア人として、一アーティストとして万感の思いであろう。この祖国凱旋によって深い感動が胸に刻まれ、新たな自信も得られた。今は生涯で最も満ち足りた時であるかもしれない。 　　そんな心境は作品上にも変化をもたらしている。ここ数年は 「Ｍｙｔｈｏｌｏｇｉｅｓ（ミソロジー：神話）」 、「ＭＡＳＳＡＣＲＥＳ」 と重く暗い絵が続いてきたが、一転して明るく軽やかなものが描かれるようになった。踊り子や少女達が淡く明るい彩りに包まれている。モチーフとしては目新しくはないが、一枚の絵を水彩・パステル・鉛筆の三種を使って描く手法は過去にはあまり見られない。そして画面からは重荷を下ろしたような、心の澱みを払拭したような印象を受ける。戦争や死の長いトンネルを抜けて、その先にある希望や平穏を見出そうとしているようにも思える。ジャンセンの画境は一つの節目にさしかかっているようだ。 　　新たなる蘇生を始めた老齢の巨匠がどのような作品を世に送り出していくのか。今後もますますジャンセンから目が離せない。 　　今回の展覧会は最新作を中心に 油彩・水彩・パステル・エッチング・リトグラフ 約50点を展示致します。是非この機会にご高覧頂きますようご案内申し上げます。 アトリエでギターを弾くジャンセン 　[2002･05撮影]
アートスペース・サンカイビ
代表：　平田　美智子