2006年篠田桃紅展 後記

   


 お蔭様で、盛況のうち無事会期を終えることができました。これも、ひとえに皆様のお力とたいへん感謝しております。遠路はるばる、あるいは、電話番号も載っていない記事を元にいらして頂いた皆様、本当にありがとうございました。

 さて、当画廊に於いては2回目の篠田展でしたが、作品点数、バリエーションともに、1回目より前進した内容でご紹介できたのではないかと振り返っております。また、何より、先生御本人にご来廊頂けたことはたいへん光栄なことでした。

 篠田先生にお目にかかり、あらためて人間としての器の大きさ、凛とした生きる姿勢を肌身で感じ取ることができ、深く感銘を受けました。年齢や性別を超えた本物の“格好良さ”がそこにはありました。多くの人々の憧れであり続ける方です。

 一介のアーティストが世に出ることは難しく、一躍有名になるだけでもたいへんなことです。ましてや、トップランナーとして、長い時代をずっと生き抜いてゆくことは、まさに偉業というしかありません。
 もちろん、天賦の才はお持ちだったでしょう。が、それに甘んじることなく、人数倍の努力と自己犠牲によって、自力本願で獲得していった現在だと推察いたします。
 人には語れない想い、文字には出来ない気持ち、まさに筆舌尽くしがたい心情が昇華し、桃紅水墨を支え続けていると直感しています。
 「私の作品は、誰でも描けますのよ。皆さんも試してごらんになって。」と、ご来廊そうそう、おっしゃっていましたが。―――とんでもありません!絶対無理です!

 この春、 93 歳におなりですが、ますます若々しくお元気であってほしいと心より願ってやみません。これからも創作活動を見つめてゆきたいと思っています。
 また、ファンの方々とのより良い橋渡し役になれるよう、更に努めて参るつもりです。

 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
 特に、今回初めてご来廊になった皆様には、一度限りのご縁ではなく、長いお付き合いをさせて頂ければたいへん嬉しく思います。

 
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