ジャン・ジャンセン展
＜Retrospective＞

ノアの方舟が漂着した伝説の山アララトの国、アルメニア。その地が生んだ巨匠ジャン・ジャンセンの初期から最新の作品まで、半世紀余の画業を振り返ります。
　時代ごとに変貌を遂げてきたものと一貫して不変なもの、その二つを同時に見つめていると、画家の内面のヒストリーがより鮮明に現れてくるようです。青年から壮年そして老年と、世紀を越えて絵筆を握り続けてきたジャンセンという長流を、それぞれの視点で掬いとっていただければ幸いです。
　練習の後に身体を休めるバレリーナたち、音楽を奏でるミュージシャンたち、仮面を被り愁いある表情を浮かべるアルルカンたち、ジャンセンの描く人物たちは、悲しみや悦びなどの感情を超越した時空へと我々を誘います。
　今回は、１９５０年代の貴重な水彩をはじめ、油彩・パステル・デッサンなどの原画約２０点を展示致します。
　併せてジャンセン・ドキュメンタリーフィルムの上映会も行います。