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大塚雄造作品展
― 「波」 ライン・テンション―
会期: 2011年1月20日(木)〜2月3日(木)
11:00〜18:00
作家在廊:1月20日・21日・22日・28日・29日・2月3日
(各日14:00〜18:00)
会場:ギャラリー サンカイビ
後援:ドイツ連邦共和国大使館後援
公益財団法人日独協会後援
大塚雄造 作品展 のご案内
― 「波」 ライン・テンション ―
 画家、大塚雄造は、多摩美術大学を卒業後、ヨゼフ・ボイスに憧れ、ドイツの国立デュッセルドルフ美術アカデミーへ留学した。彼の地には当時1970年代から80年代にかけて、ボイスやナム・ジュン・パイクらを中心に先鋭的な芸術家が集まっており、大塚はその刺激の中で若きアーティストとしての歩みを始めた。学校と下宿の行き帰りに畔を歩いたというライン川。市の中心を流れるこの川を、ドイツ人は「父なる川」と呼ぶ。川幅が広く穏やかなライン川の流れは、大塚にとってヨーロッパ文化の偉大さの象徴であり、現在まで取り組み続けている「波」シリーズの着想の原点となっている。
 その川の広大な河原に、長さ4.5kmに渡る大遊園地街を造り上げる「キルメス」という行事をご存知だろうか?毎年7月になると突如として河原に現れるこのキルメスは、数日で組み立てられたとは思えぬほど大規模なもので、ライン河川の風景を一変させる。夜になれば、ネオンに装飾されたメリーゴーランドやジェットコースターなどがその動きを強調する。それらの刺激的な灯りを映しこんだライン川の雄大な流れは、不思議なほど静かで、その対比に大塚は深い印象を得たという。
 今回の―「波」 ライン・テンション―と題された新作は、その時描かれた心象スケッチを元に、キルメスをテーマに制作されている。作品の金色のマチエールからは、西洋の遠近法とは一線を画し、日本画の平面性とも違う、独特の立体感と奥行きが感じられる。抑制された金色が生み出す大塚雄造の「波」の世界では、キルメスという祭りの高揚や熱っぽさの一方で、川の静けさや恒久性が重層低音のように響き、相対するものが融合し、新たな境地に至っている。

 本展は、大塚雄造のこうした最新作を十数点、一堂に展示する重要な展覧会となります。是非ご高覧くださいますようご案内申し上げます。
大塚雄造 1976年 多摩美術大学絵画科油画専攻卒。1981年 国立デュッセルドルフ美術アカデミー自由美術科卒。留学中にライン川の雄大な流れから得た着想は、京都・竜安寺の石庭の東洋的な抽象性と結びつき、ヨーロッパの美意識と日本の美意識とを並行して展開していく方法論に至る。こうして現在まで探求を続ける「波」シリーズの制作が始まる。この「波」シリーズの第一弾により、ドイツ国芸術マイスター資格の国家試験に合格。更にその作品が現代美術の有数なコレクターである当時のドイツ・ソニー社長シュムックリー氏の目に留まり、ドイツ・ソニー本社での大規模な個展が実現。この展覧会は、ドイツ美術界に大きな影響を与え、ケルン・ルントシャウ紙上で美術評論家バーバラ・ゴム氏が「魂の波」と題して展覧会評を執筆し、国営テレビZDFでも取上げられた。この輝かしいデビューは、海を隔てた日本でも朝日新聞などが報道。その後も琳派の影響を受けた作風を展開するなど、様々な技法を駆使し、誠実に貪欲に丹念な仕事を続け、「波」は進化し続けている。
       
   
 
お問合せ:ギャラリー・サンカイビ  担当:平田・加藤
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