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花柄の花瓶  紙にデッサン・パステル  50×65cm  1987年

ジャン・ジャンセン作品展―静けさの中で―
会期:2011年9月8日(木)〜28日(水)
11:00〜18:00(日祝休廊)
会場:ギャラリー サンカイビ
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町2-22-5
TEL:03-5649-3710 FAX:03-5649-3720

   

 
 孤高の画家、ジャン・ジャンセン (Jean Jansem) が描く素描画展です。

 ジャン・ジャンセンはフランスで活躍するアルメニア人画家。卓越したデッサン力により人物や静物など様々なテーマを独自の視点で画面に捕え、世界的に高い評価を受けています。日本では東京と安曇野にそれぞれ作品を常設展示する美術館が設立され、生地、アルメニアにもジャンセン美術館が誕生する予定です。アルメニア正教やアルメニア人大虐殺をテーマにするなど、人種的、民族的なテーマも多く、故国アルメニアの国家勲章を受章。また、フランス在住画家としての功績も認められ、レジオン・ド・ヌール勲章も受章しています。
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 ジャンセンの描く素描画は、よくエゴン・シーレやロートレックなどと比較され称賛されていますが、実はジャンセンの潜在意識の中にあるのは、ピカソやブラックを代表とするキュービズム的な思考なのです。伝統的な遠近法や肉付け法を否定し、対象を多角的に解体し、細分化して再構成することで、絵画を外界から自律したイメージとリズムを持つ世界へと作り上げた運動です。

ジャンセンは対象を多角的に表面上解体せずして、如何に具象的な対象を多角的に捕えるかという命題に取組んできました。見えない対象の先にあるものが一体何なのか、対象の奥に隠されているものが何であろうか、常に見えない対象に対して忠実に、そして熱心に五感を傾けて来たのです。

 それは、ジャンセンの絵の描き方にもその痕跡が読み取れます。ジャンセンは画面の対象を線のみで描いていきます。背景と対象は常に同じ色彩の中に混在し、最後の一筆で、背景と対象が引き離され、対象に命が吹き込まれるのです。その鮮やかな筆さばきは、対象を十二分に理解し、卓越したデッサン力を備えたジャンセンだからこそ可能な業なのです。
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 今展覧会では、ジャンセンの素描画約12点を展示致します。(会期中展示替え有り)
1920年生まれ、御年92歳になるジャン・ジャンセンの時代とともに変遷する絵画をご高覧下さい。

ギャラリー サンカイビ
担当者:平田・高島
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町2-22-5
TEL:03-5649-3710 FAX:03-5649-3720
http://www.sankaibi.com

   

 

   

 
ジャン・ジャンセン Jean JANSEM 略歴

 1920年、アルメニア生まれ。11歳でフランスに渡り絵を描き始める。パリ装飾美術学校を卒業。同時代の重要な展覧会に多数出品。1958年、サロン・ドートンヌの会員となる。2001年、祖国アルメニアの招待で、同国立美術館にてアルメニア大虐殺を描いたシリーズの展覧会「マサクル展」を開催。美術館前には連日長蛇の列が出来た。同展はパリでも開催され、シラク大統領も熱心に鑑賞した。アルメニア国家勲章(カラヤンとシラク大統領に続き3人目)を受章。2002年、フランス国家勲章、レジオン・ド・ヌール勲章を受章。

ジャンセンは「線の画家」と言われる。一目でジャンセンと分かるその独特の繊細な線は、シャープでありながら、微妙な揺らぎを秘めている。彼が描くテーマは、市井の人々・踊り子・宗教行列・闘牛士・仮面舞踏会と多岐にわたる。それらはどれも、どこか哀愁を帯びるが、愛ある眼差しによって描き出されている。放浪の民族・アルメニア人として、また戦渦のパリで青春を過ごした人間としての憂愁が、独自の観察眼と表現力を彼に与えたのだろう。

【 主な作品収蔵先 】
パリ市美術館、エネリー美術館、安曇野ジャンセン美術館(常設展示)、銀座ジャンセン美術館(常設展示)他多数

   

 
お問合せ:ギャラリー・サンカイビ  担当:平田・高島
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町2−22−5
TEL:03-5649-3710  FAX:03-5649-3720
E-mail:info@sankaibi.com  http://www.sankaibi.com

   
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