孤高の美術家 篠田桃紅作品展<版画作品を中心に>
開催期間:2025年10月29日~ 2025年11月03日開催場所:日本橋三越本店 本館7階 催物会場
墨を使った新たな表現方法で、世界的に知られる孤高の美術家、篠田桃紅(2021年107歳逝去)。墨象という独自の表現を追い求めて、ダイナミズムと厳しさを持つ実力の世界に身を投じ、ニューヨークをはじめ世界を舞台に活躍しました。桃紅はレリーフや壁画などの建築に関わる大作を手掛ける一方で、版画や題字、随筆など活動の範囲は多岐にわたり、人々の心を照らし続けてきました。本展では、アトリエに残されていた秘蔵の原画や書、屏風などの作品に加え、桃紅が半世紀にわたり制作を続けてきた版画作品を一堂に展示します。
1960年にフィラデルフィアから来日した刷り師、アーサー・フローリーの薦めで桃紅はリトグラフの制作を始め、その後、日本を代表する刷り師、木村希八と出会い約1000主題の版画を制作しました。解墨の濃淡と溜込みを活かした漆黒の版に手彩色を施し、それぞれが一点しか存在しないオリジナルの要素を含んだ作品に仕上げています。
作家略歴
【略歴】1913年、中国・大連に生まれる。5歳の時、父の手ほどきで初めて墨と筆に触れ、以後独学で書を極める。第二次世界大戦後、文字を解体し墨で抽象を描き始める。1956年に渡米しニューヨーク、ボストン、シカゴ、パリ他で個展を開催。58年の帰国後は、壁画や壁書、レリーフといった建築に関わる仕事や、東京・芝にある増上寺大本堂の襖絵などの大作を手掛ける一方で、リトグラフや装丁、題字、随筆など、活動は多岐にわたった。2005年、ニューズウィーク(日本版)の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれるなど、晩年まで精力的な活動を続けた。2021年3月に107歳で逝去。
【主要コレクション】メトロポリタン美術館・ボストン美術館・グッゲンハイム美術館・大英博物館・東京国立近代美術館・岐阜県美術館・岐阜現代美術館・コンラッド東京・ザ・キャピトルホテル東急・京都迎賓館・増上寺 など