PARIS レポートNo.6
2004.11/ベルフォール(仏)

レポーター/
平田美智子
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筆と水彩
 ブザンソンの出版社、セットル社がベルフォール出身の画家ベルナール・ガントナーの序文とイラスト、作家ジャン・ルイ・クラードの文章で 「村と人々」を出版

 ベルナール・ガントナーは、新雪が降るとペンを片手に家を飛び出し、フランシュ・コンテ地方の田舎の風景を描き続けて67年にもなる。今年も新雪が降って15日目には最初の 「雪」 の油絵制作にとりかかっていた。
 今回、作家、ジャン・ルイ・クラードと画家、ベルナール・ガントナーのコラボレーションにより、お互いの才能をひときわ引き立たせる出版物が完成した。ジャン・ルイ・クラードの筆が田舎の生活をいきいきと表現し、ベルナール・ガントナーの暖かい色使いがこの文体に花を咲かせている。
 
 2004年の夏、ジャン・ルイ・クラードはガントナーの水彩を偶然手に入れた。以来、彼の絵に惚れ込み、今回の 「村と人々」 のイラスト制作につながったのである。ジャン・ルイ・クラードはこの著書の中で、鍛冶屋、きこり、乾物屋、パン屋など田舎の古きよき時代の職人について書いている。

我々のルーツ

 ジャン・ルイ・クラードは、1900年から1950年の半世紀のあいだに、我々の生活がどれだけ変化していったか、その足跡を残したいと思い執筆に至ったという。
 「ジャン・ルイ・クラードの文章を読み、昔のよき時代の生活に思いをはせる。そして、昔を知らない、そして無関心な若者を開眼させ、田舎の昔ながらの建物や伝統的な行事、そして職人芸をこれをきっかけに継承してくれれば幸いだ。」と序文で語る画家、ベルナール・ガントナー。また、「私はこの本を我々の未来のために、我々のルーツと思い出に捧げたいと思う。」「この本は大成功だったといえる。我々の意図している文学的表現がまさしく一体となっているからだ。」と続ける。

無料の森林公園として

 ベルナール・ガントナーはベルフォールの村を心から愛している画家である。昨年は5ヘクタールの森を追加購入した。「私は将来自分の買った土地や森を無料で一般に公開し、若い人々にも自然のよさを存分に味わってもらいたい。」と語る。ミニチュア山羊を衝動買いして以来、ガントナー夫人の趣味で増やしたスコットランド山羊、ラマなどの珍しい動物が春のオープンを待ちわびている。また、美術館に展示されたガントナーの作品が我々に自然の心地よさを体感させてくれる。

(REGION LE PAYS誌より抜粋)

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