藤田嗣治と長谷川潔展

会期:
2002年9月12日(木)−9月25日(水) 作家詳細
12:00−19:00 日祝休 前ページへ
会場: アートスペース・サンカイビ   →地図 Homeへ
  
  藤田嗣治と長谷川潔は、二つの世界大戦時代にパリ画壇で活躍した日本人画家の代表格である。ともに初めて世界が認めた邦人画家であり、美術史に残した功績は大きい。

  それまで日本人の描く洋画はけして評判の良いものではなかった。おそらく本場の観衆からは “西洋の物真似” にしか映らなかったのであろう。しかし、藤田と長谷川の作品は違っていた。現地で熱い支持を得て、藤田はエコール・ド・パリの寵児となり、長谷川も圧倒的な人気でその評価はいまだに日本人より高い。二人ともフランス政府によって肖像メダルを鋳造されている。日本人画家としては北斎 ・ 藤田 ・ 長谷川の三人しか受けてないものである。

  二人が成功した最大の要因は、東洋と西洋の精神融合を成し得た点であろう。
  日本人ならではの手先の器用さが確かな技術を生み繊細な表現を可能にし、 “真似” ではない独自の画風を打ち立てた。藤田は面相筆による線描を生かした日本画的な手法を編み出し、長谷川はマニエル・ノワールをはじめあらゆる銅版画の技術を習得し高精度の作品を創り出していった。
  また、二人とも異国生活に良く馴染み、その地に深い愛情を持っていた。抜きん出た異文化の吸収力・消化力があったからこそ快挙に繋がったといえよう。

  さて、当の二人の交友エピソードについてだが、残念ながらほとんど伝わっていない。唯一、1928年の第4回在巴里日本人美術家展の運営委員にそろって名を連ねている。何か言葉は交わされたのであろうか・・・。 お互いの絵をどう思っていたのか・・・。 今となってはあれこれと想像してみるしかない。

  今回は二人の銅版画に焦点をあて、約20点を展示致します。陶器の質感を思わせる藤田の乳白色と、神秘的なピロードを思わせる長谷川の黒。相対峙する二つの色の対話をお楽しみください。それぞれの画家の人生と比較しながらご覧になるのも一興かもしれません。
  特に長谷川作品は現在入手が大変困難なため、日頃なかなかお目にかかれない逸品揃いとなっております。長谷川ファンならずとも絵画・銅版画愛好者には必見です。どうぞこの機会にご高覧下さいますようお願い申し上げます。
アートスペース・サンカイビ
代表  平田 美智子